オツボネ退治

オツボネ退治記録。約800文字

キラキラ

カラスは醜いのに、美しいものが好きで可哀想。

キラキラ

小学生の頃は、茶色が好きだった。

当時の私が買おうとした茶色の傘。通りがかった同じ小学生ぐらいの女の子が「地味じゃん」と評価したことを覚えている。茶色こそ洒落た色だと思っていた私は、物凄い衝撃を受けた。これ、地味なんだ。地味なんだ。地味なんだ。

 

結局その傘は買わなかった。

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MISSHAのトリプルアイシャドウ

先日、思い切って茶色のアイシャドウを捨てた。

毎日欠かさず茶色のアイシャドウを着けて仕事をしてきた。地味だけど正解の茶色。でも最近の私はキラキラしたものが好きなのだ。ラメがいい。そうじゃなければピンクがいい。だから思い切って捨てた。

 

年を重ねるにつれ、キラキラしたものが好きになる

母も同じことを言っていた。長い間母娘で話し合い、出した結論は自分がキラキラしていた頃は、キラキラしたものを身に纏わなくても大丈夫だった。自分がキラキラしなくなったから、キラキラしたもの身に纏うようになった。

ないものねだりのカラス

黒色のカラスが、白色のシラサギに憧れる物語だ。

読んだのは1度きり。しかも5年以上前。だから正確に記憶している訳ではないが、こんな風に締め括られていたように思う。「カラスは黒色だからに憧れた。醜いから美しさに憧れて、今も尚キラキラしたものを集めている。ないものねだりで可哀想だ。」めでたしめでたし。

 

キラキラしていない私が、キラキラを身に纏うのも可哀想なのかな。

 

ちなみに「ないものねだりのカラス」は、安東みきえ『頭のうちどころが悪かった熊の話』に収録されている。好きな作品だ。未読の皆さんは是非。